引き寄せ理論(補足)~第5章~

自己啓発による誤認セッションに注意

自己啓発による誤認セッションに注意

多くの方は、現実的な暮らしの中で夢を描いてはいるものの、やる前から何も挑戦なく「今更…どうしろと…」と無行動なままジレンマを抱えて生涯で閉じる方が多い。いわゆる、やらずじまいというものです。

その原因は、可能性の獲得よりも「リスク回避(リスクヘッジ)」を信条としている為、可能性への挑戦はイコール=敗北に直結するような危なっかしいギャンブルでしかないという考え方が無意識にあるためです。

それは、専門用語では″現状維持バイアス″とも呼ばれています。成功した時のシナリオよりも、失敗した時のシナリオを想定して生きることが得意なため、勝算は難しい課題に直面した場合は、とにかく手を出さない方が無難だと判断する方が「正しい事」だと信じきります。

そんな風に思えることで自分に納得でき、成功する未来なんて自分には不必要だと、はじめから見ないようにしようとする様子からバイアスと呼ばれています。バイアスとは、目隠しやおおい被せて見えなくすることです。

そうなると、見ずに避けて「諦める」ことで危険から遠ざかるために真に正しい事だと確信を持って生きられるようになります。

ただし、ある程度は副作用があります。その副作用とは、時折、今年こそなんか良いことないかなぁいつか強運が舞い込み幸せになれたらいいなぁと、縁起やおみくじ、ラッキーカラーなどチェックするゲン担ぎに目が向きます。縁起を気にする心理は、自ら幸運を掴むのはリスクが大きいが、他者から一方的に舞い込んだ分の幸運はリスクがないから非がないと考えるためです。

ですが、そのような都合のいい幸運は宝くじの大当たり並みに発生することなく、防御(保守)をメインにして生きているために穏やかな時間だけが過ぎていき、″いつかいいこと起きないかなぁ″と、叶う事がないことが確定している割には、夢見ごこちで一生涯を終えていく事になります。

そんなふうにリスクは無理、と決めてはいるものの世の中には甘い誘惑がたくさんあります。せっかく夢を潔く諦めてこれたのに、ひょっとしたら叶いそうな夢がたくさん落ちている状況です。その誘惑に乗ってしまうと、嫉妬、ひがみ、拗ねみ、悔しさ、ヒステリ、比較による混乱や疎外感など、感じなくていい感情を感じざるを得ないためにリスクをこうむざるを得ない事になります。その誘惑による攻撃を完全にたち切るために、啓発(けいはつ)・宗教が用意されています。

啓発・宗教のやくわりとは、すべてに感謝(かんしゃ)することによって生きている事の有り難みを感じられることが最大のメリットとなります。そのメカニズムは、有り難みを人は感じると現状で充分に満足できてしまう心理が働きます。

そうすると、今よりも夢を見たり欲を出すことは不要なことでしかなくなり、穏やな日々を破滅させるような変化を、いやらしいこと、いやしいだとか強欲(ごうよく)だと感じられるような事をしっかりと敬遠できるようになり謙虚さが手に入ります。

そうやって欲望から抜け出すことで、今まで色々と苦労や困難があったけれど自分の生きた道は正しかったと壮大な気持ちでくくれる事で、未練なくあの世にいくことができるという人間が作り出した古き時代からの防衛システムのことです。

そこに熱心な状態で、こう言われる方がたまにいます。

「あの、お金をちゃんとお支払いしてセッションを受けたのに引き寄せが起きないのですけど…」

ここまで、読まれた方々はお分かりになると思いますが、この状態では引き寄せが起こらなくて当然なのです。

今の日本では啓発やカウンセリングなのですが、ほんとうの自分に出会うと開花し、望みがどんどん叶うという、一見パッと見ると啓発だとわからないような最新型の自己啓発が大流行しています。

有名、大手のカウンセラーだったり、精神科医や臨床心理士が言っていたり、高額を稼いだ経営者が声を大にして言っている事なので、それを信じて忠実に頑張っていれば間違いはないと、新規の方々が錯覚してしまうトリックを利用した誤認ビジネスが物凄く横行してしまっています。

簡略化し過ぎたり、かんたんにし過ぎると再現率は間違いなく落ちますが、一方では確証がないものは敬遠したいという需要側とのズレがネット社会の最大の副作用となります。

しっかりロジカル化してある方が、成績は良いのですが、単純明快で簡単な方を信用してしまい、かんたんに結果が出ると言ったのに、どうして結果が出ないのだ?と嘆く方が多いというおかしな実情があります。

感謝カウンセリング、心を癒すと不思議と周りもあなたもすぐに幸せになれるメンタルヒーリング、人の願いをかんたんに叶える自己肯定感で、すへてうまくいく、成功や恋愛が叶っていく!

などが、最新の″啓発・宗教″です。

起業塾と抱き合わせているパターンが多く、内容はその類いだとは見抜けないようになっていて、カウンセリングをすると心が浄化するので、そういう人の所に素敵な人もお金もすべて集まるのですよ、わかります?のように、手口は非常に巧妙化しているのが現状です。

ネット時代が到来し、本が売れなくなり難しい事がわからない、漢字が思い出せない人が増えているという課題が日本にあり、かんたんに説明できる、かんたんなメカニズム、しかも安いほど、人が飛びつく現象がおきていますが、

かんたん=イコール詐欺、に近いことはプロ、講師、問屋側からは一目瞭然です。

ゴッドハンドや奇跡の凄腕治療院もそうですが、繁盛店なので、たまたま、何百人に1人か2人、完治した方をインタビューし、あたかも連続で治しているかのように振る舞います。パーセンテージや、治せる確率を表示しないのはなぜでしょうと疑問でしかありません。実際に、そういった場所に当研究所のクライアントを行かせても、治るどころか理屈もよくわからず首をかしげて戻ってきたりします。※様子見や探り目的ではなく、そこで本当に治るものならコチラに戻らなくていいとは約束していてもです

自分を肯定して欲しい。

今まで頑張ってきた自分が、これでよかった、間違いはなかったんだと思いたい。

今までの私全ての人たちに、ありがとう。

そんなふうに考えている方、それを望んで生きている方が、変化、急展開、引き寄せ、などという大変化を起こせると思いますか?起きると思いますか?

こたえは、No!!

「あたまでは足を絶対に動かしたくない」と決めているのに「足が見事に高くあがってしまう」ような動作は人体や人生には摂理的に起こらないのです。

「動かさない」という命令では動かないに決まっています。動かないという命令を、「動かす」に自ら変更しない限り、足が動く展開が起きないのと同じで、「リスクがあっても叶えたい」「全部否定されてでも変わりたい!」と決意すれば「叶う」ようにカラダやココロは動いています。

ご自身が最初からリスクを負ってまで無理かもしれないが、やるだけやってみようと半ば諦めていれば、脳は諦める事を完璧に叶える動作を実行するだけです。

近年の、セミナーやカウンセリング業界は、「カウンセリング=全て叶う」としますが、これは非常に怖い考え方であり、そんな法則性はありません。しっかりと、判断できるような人間性を持ち合わせて臨んでください。